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2008年9月

東京少女



心は時を越えるのか。
決して会うことのない2人が、携帯電話を通して100年の時を超えて知り合う。
そんなSFなお話。
心は惹かれあうが、決して会うことのかなわない二人のラブストーリー。
誰がどう聞いてもハッピーエンドなどありえないストーリーに、主人公はハッピーエンドを探していく。
切なく、優しく、心を震わせるストーリーです。

東京少女(とうきょうしょうじょ)
脚本:林誠人(はやし まこと)
小説版著者:笹原ひとみ(ささはら ひとみ)

ストーリー
高校生の未歩は母と二人暮し。亡き父の思い出をひきずる未歩は、母から突然再婚相手を紹介される。
ふとしたアクシデントで未歩は携帯を失くし、その携帯に電話をすると、出たのは100年前、明治時代の青年時次郎だった。
二人は次第に惹かれあっていくが、別れの時は確実に近づいていく。


先に小説版を読んだので、こちらの話から。
文章がポップでとても読みやすいです。
小学生の低学年でも、何の障害もなしに読めるような文章です。
そのポップなん感じの文章で、未歩の視点から、未歩の感情をうまく表現しています。
文章だけではなく、内容にも映画にないポップさを含んでいます。
未歩が心の中でするツッコミや、母親の再婚相手を「メガネ大根」と心の中で命名したり、結構ニコニコと笑える内容でした。
とは言え、基本的にはやっぱり切ないお話ですね。
優しく切ないエンディングは、きっと心を震わせますよ。

映画版のほうは、小説にあったポップさはあまりなく、二人の気持ちを中心に描かれています。
小説ではあまりかかれていない、時次郎サイドのお話も見れて、理解がいっそう深まりました。
小説でも感動したんですが、「銀座デート」のシーンは映画版はすごく感動しました。
時を越えたデート、そして時次郎からのサプライズ!
最後のシーンも、小説よりも映画のほうが感動しましたね。
この「東京少女」は、映画も小説も見て初めて完成する作品なのかもしれません。
ぜひセットで鑑賞してもらいたい作品ですね。

監督:小中和哉(こなか かずや)
脚本:林誠人(はやし まこと)
出演:夏帆(かほ)
   佐野和真(さの かずま)
   福永マリカ(ふくなが まりか)
   近藤芳正(こんどう よしまさ)
   秋本奈緒美(あきもと なおみ)

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幸福な食卓 / 瀬尾まいこ




父さんは今日で父さんを辞めようと思う
冒頭の一文で、物語に引き込まれてしまいました。
それくらいインパクトのある書き始め。
家族の集まる食卓を中心に添えて、家族とは何なのかを問う作品。
いろいろおかしなところがあるんですが、物語自体は結構のほほんと進んでいきます。
ほんわか系です。
ただ、突然物語が急展開する部分があって、このストーリーの進み具合の緩急がとてもうまく、読んでる側を飽きさせません。
そのシーンは前触れもなく、あまりに突然で、読む側をただただ唖然とさせます。
まさに衝撃でした。
この優しいストーリーを読めば、きっと家族についてもう一度考え直すきっかけとなるでしょう。

幸福な食卓(こうふくなしょくたく)
著者:瀬尾まいこ(せお まいこ)


ストーリー
佐和子の家族は、朝食の席で重大な報告をする。
父さんは父さんを辞めると言い、母さんは家を出ると言い、秀才の兄・直ちゃんは大学に行かずに農業をはじめるという。
戸惑いながら生きる中学生の佐和子の前に、大浦勉学という男の子が現れる。
単純な性格の大浦だが、いつしか佐和子の心の支えとなっていく。


というような感じで、ストーリーを書くと、のほほん感が出ると思います。
家族の設定はめちゃくちゃですが、ストーリー自体は至って普通な感じです。
まず冒頭で突きつけられるのは、家族のめちゃくちゃな設定です。
家を出た母は、時々家に来て料理や洗濯をして帰っていく。
父は、父であることも仕事も辞めて、受験勉強を始める。
兄は、この無茶苦茶な両親を何事もなく受け入れる。
もちろんそのきっかけとなる出来事もあるし、それぞれがそれぞれの思いを抱えてそうしているわけなんですが。

ただ何よりも思うのは、家族というのは形だけでは決められないということ。
お互いの距離だけでは決められないということ。
それとオレ達は、見えないところでいろいろな人に守られているんだということ。
ボーっとしているとつい見過ごしてしまう事を、この家族が気づかせてくれます。

ちなみに映画化もされています。
こちらは、時間の関係で少し原作と違っているところもありますが、基本的なストーリーや作品全体の雰囲気は原作と同じです。
原作に忠実系の作りです。
主演は北乃きいちゃんで、きいちゃんの初映画主演作となりました。
北乃きいはアイドル上がりなので、見る前は演技に対して不安なところがあったのですが、しっかりと仕事をしていました。
すごくうまい女優さんではありませんが(初主演ですし)、基準以上の仕事はしてくれています。

しかしそんなことよりも、この映画でのきいちゃんはかわいすぎです。
「え?」って聞き返すシーンが度々あるんですが、これがかわいすぎます。
冒頭の「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」に対する「へ?」って言う聞き返しで、もうノックダウンでした。
このシーンのためだけにDVDを買ってもいいと思いました。
娘役、妹役としてはまさに最適のキャスティングだったのではないでしょうか。

監督:小松隆志(こまつ たかし)
中原佐和子:北乃きい(きたの きい)
大浦勉学:勝地涼(かつぢ りょう)
中原直(兄):平岡祐太(ひらおか ゆうた)
小林ヨシコ:さくら
中原弘(父):羽場裕一(はば ゆういち)
中原由里子(母):石田ゆり子(いしだ ゆりこ)

主題歌:Mr.Children「くるみ - for the Film - 幸福な食卓」
アルバム「B-SIDE」に収録。

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