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神はサイコロを振らない / 大石英司





人を突然失うということ。
どんな形であれ、人との別れはつらいものです。
もし、大切な人を事故で突然失ってしまったとしたら、それはどれほど辛いことなのでしょうか?
その人が10年後に、突然現れたとしたら?
大切な人を失ったことで失うことになる10年間を、期限のある再開という形で救出していく物語。
もう一度失うことを知りながら、何を取り戻し、何を失い、何を思わせるのか。
人間の弱さと強さを、どちらも見せ付けてくれる物語です。

神はサイコロを振らない
著者:大石英司(おおいし えいじ)


ストーリー
1994年に行方不明になった宮崎発羽田行きの報和航空の旅客機が、10年後の2004年に羽田に着陸した。10年前と変わらぬ姿で現れた旅客機の乗員乗客と、失われた10年で大きな変化を体験した遺族が、3日という期限付きで再会する。


人は、大切な人を失って初めて、その人がどれだけ大切だったかということを思い知らされるのでしょうか?
普段そばにいるのが当たり前で、明日もまたそばにいるのが当たり前だと思っていて。
その期待を、事故という形で突然裏切られ、どんなに大切だったかを思い知らされ、その絶望から抜け出せなくなってしまった人々の物語です。
しかも、死亡が確認されないまま過ごした10年とは、いったいどんなものなのか、想像も及びません。
そんな人々が、何事もなかったかのように10年後に帰ってきた大切な人と再会して、失った10年間を取り戻していきます。
ただし期限付きです。
またすぐに別れなくてはならないと知りながら、人々は何を思うのでしょうか?
さらに、自分の人生があとわずかだと知った乗客たちは、何を残そうとするのでしょうか?
様々な関係の人々が登場し、その答えを一つ一つ描いています。
今日という1日や、大切な人たちをも、もっと大切にして生きていこうと思わせてくれる作品です。

ドラマ化もされています。
ドラマの方は、小説よりもずっと軽いノリで描かれています。
実際、こんなに淡白でいられるだろうかと疑問なくらい。
でも、これはこれで面白かったです。
登場人物をぐっと減らして、その代わりに一人一人の人間関係をより丁寧に描いています。
かなりコメディータッチにもなっていて見やすかったです。
作品のテーマは小説とは少しずれていて、どちらかと言うと、年をとることによって失ってしまう情熱や大切なものを、10年前から現れた人たちが思い出させてくれると言う趣向です。
ラブストーリーも絡んできて、いかにもテレビドラマ的ワクワク感があります。
と、いかにもテレビナイズされて軽くなったお話なんですが、しっかりと感動する場面もあって魅力的でした。
ラストが原作とは少し異なっています。
オレは小説のラストが気に入っていただけに、ドラマの終わり方はどうだろ?なんて思ってしまいましたが。
ここは、好き嫌いによりますね。
原作もドラマも、違った楽しみ方ができたので良かったですよ。
あ、でも、ともさかりえがイマイチです。
代わりに、大杉漣さんが最高です。

脚本:水橋 文美江(みずはし ふみえ)
原作:大石 英司(おおいし えいじ)
キャスト:
小林 聡美(こばやし さとみ)
ともさか りえ
山本 太郎(やまもと たろう)
武田 真治(たけだ しんじ)
成海 璃子(なるみ りこ)
市川 実和子(いちかわ みわこ)
佐々木 麻緒(ささき まお)
大杉 漣(おおすぎ れん)
岸部 一徳(きしべ いっとく)
中村 倫也(なかむら ともや)
矢沢 心(やざわ しん)
遠山 景織子(とおやま きょおこ)
小清水 一揮(こしみず かずき)

ドラマ公式サイト
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図書館で借りた本は、最後のページに四葉のクローバーが、しおりのように挟んでいた。うーん、これってちょっと出来過ぎだ。偶然だったけど、2冊続けてタイムスリップものを読んだ。 [続きを読む]

受信: 2009年11月 8日 (日) 22:59

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